1 年以内に、パラナグア湾において物理学的、化学的、生物学的な水質・底質のモニタリ ングシステムを確立すること。

最新の調査計画は、調査地の汚染源などの主要な環境特徴の再確認だけではなく、現地で 行われた事前のプロジェクトで採取したサンプルの分析及び事前の現地訪問調査の後に、作成された。２００４年 2 月（及び２００６年 11 月）における兵庫県からの専門家による予備調査は、調査区域（軸）の選定におおいに役立った。すべての水質項目はデータの不均一（予期せぬ偏り）を避けるため、同時に採取する。２００６年に行われた日本側の研究者とワークチーム（ＩＡＰ、ＳＥＭＡ、ＩＢＡＭＡ、ＰＵＣ、 C ＥＭ／ＵＦＰＲ）の最終会議の後、パラナグア湾における調査地点を選定した。（図１）

東西軸

１ - Ponta da Pita （ピタ崎）
２ - Europinha （エウロピーニャ）
３ - Porto de Paranagua （パラナグア港）
４ - Rio Itibere （イチベレ川）

南北軸

５ - Ilha do Mel( メル島）
６ - Medeiros （メデイロス）
７ - Benito （ベニート）
８ - Pinheiros （ピニェイロス）

水質は８地点において２００７年 2 月と７月に調査する（図１）。それぞれの地点で透明 度、塩分、濁度、水温、溶存酸素を表層（ 0.5 ｍ）と底層で現地測定する。さらに 3.5 Ｌの バンドーン採水器で、ＣＯＤ、ＢＯＤ、アルカリ度、ＣＯ ２ 、無機栄養塩（硝酸塩、亜硝酸 塩、アンモニア、リン酸、ケイ酸塩）、懸濁物質、クロロフィル a 、微粒子状有機炭素、窒 素、総リンを分析するためのサンプルを採取する。さらに、大腸菌総量と E.coli など衛生 面に関連する細菌の種類を分析するために採水を行う。これにより、細菌の分布状況、重度汚染地、汚染源及び経路を特定することを目指している。 水質と同じ地点でヴァンヴェーン採泥器を用いて底質の表層を採取し、Ｎｉ、Ａｓ、Ｃｕ、 Ｃｄ、Ｈｇ、油性炭化水素を分析する。底質のサンプルから間隙水を抽出し、急性毒試験に使用する。さらにＰＯＣ、ＰＯＮ及びＰＯＰを分析する。調査項目とそれぞれの分析方法を表１に示す。